井の中の蛙にならない

やわらかく、たくましく。

夜更けに素敵な出会いはいかがですか

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ある夜の話。

 

友達と呑みに行った帰り、「ラーメンが食べたいね!」ということで

ふらりと立ち寄った小さなお店の中での出来事だ。

 

 

ラーメンを待っていると、隣の座敷にふたりのおじいさんがやってきて、

ひょんなところから会話が始まった。

 

二人は高校の同級生で、御年70歳。

同窓会の帰りだそうだ。

 

しかもなんという偶然だろうか、ふたりとも私と同じ福岡県の出身だった。

「博多の女は気が強いけん気をつけんとよ!」

なんて、おじいさんたちは友達にとても失礼なことを吹き込みつつ、

いろいろな話をしてくれた。

 

 

癌になったけれど、今は元気になったということ。

旅は、心の若いうちにしておくべきだということ。

秋田の女は純粋でおしとやかだということ。

前の奥さんの作ったカレーライスがすごく美味しくなかったということ。

渋谷より、銀座より、六本木の街が好きだということ。

少しの勉強でも、継続すれば、大きな差が生まれるということ。

一番の親孝行は、経済的な自立と精神的な自立だということ。

自分の幸せは、自分で決めるということ。

若い頃はたくさん遊べと言われたけど、たくさん遊んだらそれはそれで怒られたということ。

ふたりのプロポーズは、案外普通の場所でさらりと行われたということ。

プロポーズしたのに一週間返事を保留にされたこと。

人生は一度きりだから、後悔のないように生きるということ。

この出会いも、縁だということ。

 

 

たくさんたくさん話をして、たくさんたくさん笑った。

 

そんな愉快なおじいさんたちは、

もう少し若い人たちであったら交わされていたであろう

Facebook教えてもらってもいいですか?」

「LINE交換しませんか?」

という言葉を発することもなく、

 

「またご縁があれば、お会いしましょう」

 

という言葉を残して、颯爽と六本木の街へと消えていった。

 

 

12月初めの、素敵な出会いに乾杯。